子どものおだやかな寝顔を見るのは、とてもいとおしい時間ですよね。
でもおもちゃが気になって遊び続けたり、ぐずって寝てくれなかったりと、寝かしつけに苦労するママやパパも多いでしょう。
そんな時は寝かしつけに、絵本の読み聞かせを取り入れてみてはどうでしょうか。
日中は仕事や家事で忙しいママやパパも、寝る前の絵本で子供と一緒に楽しめるといいですね。
絵本の読み聞かせは親子のコミュニケーションになり、集中力や語彙力が高まるといったメリットもあります。
この記事では
- 寝る前の読み聞かせのメリット
- 寝る前の読み聞かせを効果的にするポイント
- 寝る前の読み聞かせに向いている絵本、向いていない絵本
を解説します。
日によっては子どもがなかなか寝てくれないこともありますが、できる時だけでも大丈夫。
年齢に合わせたおすすめ絵本も紹介しますので、ぜひ子どもと一緒に手に取って読んでみてくださいね。
・保育士歴15年以上
・現役保育士
・子育て現在進行形(中学生)
の私がご紹介します
寝る前の読み聞かせのメリット5つ
寝る前に読み聞かせをすることは、実はママやパパにも子どもにもメリットがいっぱい。より良い時間を過ごせるように、5つのメリットを紹介します。
リラックスして眠れる
子どもは生活の中でたくさんのことを吸収しています。子どもながらに外の世界から刺激を受け、疲れることもあるでしょう。
寝る前にやさしく絵本を読んでもらうことで、ゆったりとリラックスした気分になります。大好きなママやパパの声を聞くことで、安心して眠ることができますね。
記憶が定着する
寝る前に見たり聞いたりしたことは、睡眠中に記憶に定着しやすいといわれています。そのため寝る前に読み聞かせをしてあげることで、さまざまな言葉や表現が頭に残るでしょう。
ただ、覚えさせたい気持ちが強すぎてはいけませんよ。あくまで、子どもが楽しく安心できるように読んであげましょう。
スムーズに眠りに移行できる
毎日同じ時間、同じルーティーンで寝る前の読み聞かせを行ってみましょう。
絵本を読み終わったら寝る時間だということを子どもは理解します。
スキンシップがはかれる
寝る前の読み聞かせは、子どもとのコミュニケーションができる大切な時間。ぬくもりを間近に感じられる距離で読み聞かせをしましょう。ときには頭をなでてあげたり、手を握ってあげるのもいいですね。
気持ちよく明日をむかえられる
今日は子どもを厳しく叱ってしまった、とモヤモヤを抱えることもあるのではないでしょうか。
子どももママやパパにおこられた時のいやな気持ちが残っていたり、時には友達とけんかして、納得いかない感情を持ったままのこともあります。
寝る前におだやかな絵本を読み聞かせることで、親子ともに気持ちが落ち着くでしょう。
寝る前の読み聞かせを効果的にするポイント5つ
いつ読んでも楽しい絵本ですが、寝る前ならではの気をつけるべき点があります。これらのポイントを考慮して、安心した眠りに誘ってあげましょう。
照明はほんの少し暗めで
あまり暗すぎると絵本が見えなくなるので、可能ならば本を読める程度にほんの少し暗めの照明にします。
テレビ・パソコン・スマートフォンの明かりや音は気になります。消しておくようにしましょう。
落ち着いたトーンで読む
子どもはママやパパの元気な声も好きだけど、寝かしつけの絵本は落ち着いたトーンで読みましょう。抑揚もつけなくて大丈夫です。静かな声を聞いて、子どもは安心して眠ってくれます。
お気に入りの絵本を一冊見つける
毎日違う絵本を読む必要はありません。何度読んでも大好きな一冊があれば、寝る前の絵本を楽しみにしてくれるでしょう。
これを読んだ後は寝る、という習慣にもつながります。
もちろん子どもとコミュニケーションをとりながら、いろんな絵本を試しても良いですよ。
絵本のあとはすぐに眠れる環境作りを
時にはなかなか眠れず、子どもが「もっともっと」と何冊もせがむこともあるかもしれません。布団に入る時間を決めたり、絵本は何冊までなど、毎日のルールを決めておきましょう。
読みおわった後は静かな環境で、トントンするなどして眠りに誘うと良いでしょう。
読み聞かせの最後は「おしまい」で終わる
最後に必ず「おしまい」があることで、子どもは寝る時間を認識するようになります。「おしまい」のあとは「おやすみなさい」や電気を消すなどのルーティーンがあると、入眠しやすくなるでしょう。
寝かしつけにおすすめな絵本の種類5つ
寝かしつけに向いている絵本を読むと、リラックス効果が高まったり早く眠りにつける場合があります。以下に5つ挙げてみました。
ハッピーエンド
良かったね、と笑顔で終われる絵本がいいでしょう。幸せな気持ちのまま、眠りにつくことができます。
落ち着いた雰囲気
わくわくするようなお話は楽しいものですが、寝かしつけの時は静かで落ち着いた雰囲気のものを選びましょう。
短すぎない
短いものはママやパパの負担にもなりにくく、簡単な言葉で子どもも聞きやすいでしょう。ただ、ママやパパの声を心地よく感じてだんだん眠くなるという点では、短すぎるともの足りないかもしれません。
長すぎない
お話に慣れしっかり聞ける子どもには、少し長めの絵本でも良いでしょう。ただ子どもによっては、長すぎる絵本は集中力が続かずじっとしていられなくなることもあります。
絵本のボリュームは、子どもに合わせて程よい長さのものを選べるといいですね。
繰り返しの言葉が使われている
絵本のなかで繰り返されることばはリズム感が心地よく、子どもに安心感を与えてくれます。
特に夜をテーマにした絵本には「おやすみ」や「ねんね」などのフレーズが繰り返されることが多いので、寝る時間だという意識づけに役立つでしょう。
寝かしつけにはあまり向かない絵本の種類3つ
子どもがお気に入りの絵本でも、寝る前には控えたほうがいい絵本もあります。どうしても読んでほしがる時は、最後の1冊に寝かしつけに向いた絵本を組み合わせるなど工夫してみましょう。
ハラハラドキドキする本
楽しいお話、面白いお話はドキドキして子どもも大好きですよね。でも、寝る前に感情が揺さぶられると、目が冴えてしまいます。
また逆に、恐怖を感じたり不安になる絵本も、避けたほうが無難でしょう。
頭を使って考えさせる
なぞ解きや参加型の絵本は、寝る前に頭をフル回転してしまいます。頭も体もゆったりリラックスして眠りにつけるといいですね。
ちなみに頭を使う絵本は、朝がおすすめですよ。
続きが気になる
続編のある絵本や長い絵本を途中で区切ることは、続きが気になって眠れなくなるかもしれません。「もっと続き読んで」と、きりの良いところで終われなくなることもあります。1冊で完結する絵本のほうが、寝かしつけには向いているでしょう。
【厳選】寝る前の読み聞かせにおすすめ絵本
0歳、1歳の寝かしつけ絵本3選
「もうねんね」松谷みよ子/文 瀬川康男/絵
ねむたいよう おやすみなさい、と優しく繰り返されることば。やわらかいタッチの絵。絵本のなかの動物や女の子の眠そうなお顔を見ていると、こちらの目も閉じてきそうです。
「おやすみ」なかがわりえこ/作 やまわきゆりこ/絵
たのしく遊ぶ時間から、おやすみの時間までが短い文で書かれています。シンプルながらも、表情豊かな子犬のきょうだいがかわいいです。
「いいこ ねんね」内田鱗太郎/文 長谷川義史/絵
動物たちがおかあさんおとうさんに歌ってもらって眠ります。繰り返しのことばが心地よく、やさしい気持ちになれる1冊です。
2歳、3歳の寝かしつけ絵本3選
「おやすみなさいおつきさま」マーガレット・ワイズブラウン/作 クレメント・ハード/絵 せたていじ/訳
みどりの部屋で、子うさぎがお部屋のなかのもの一つひとつにおやすみをいい、明かりも少しずつ暗くなります。カラーのページと白黒のページが交互に配置されていて、不思議な落ち着きを感じる絵本です。
「おやすみおやすみ」シャーロット・ゾロトウ/文 ウラジーミル・ボブリ/絵 ふしみみさを/訳
ページを開けると、夜の静けさが伝わってきます。グレーなのに温かみのあり、動物や虫たちが眠る姿にも愛着がわきます。
「パパ、お月さまとって!」エリック=カール/作 もりひさし/訳
お月様と遊びたいというモニカのために、パパがお月様を取りに行くというストーリーです。とても夢のある、やさしい気持ちの詰まった絵本ですね。おおがかりな仕掛け絵本なので、ワクワクして目が冴えてしまう可能性もあるのでご注意を。
【まとめ】寝る前の読み聞かせで、親子のふれあいと安心できる睡眠を
ここまで、寝る前の絵本について詳しく解説してきました。
寝る前の読み聞かせのメリット
- リラックスして眠れる
- 記憶が定着する
- スムーズに入眠に移行できる
- スキンシップがはかれる
- 気持ちよく明日をむかえられる
寝る前の読み聞かせを効果的にするポイント
- 落ち着いたトーンで読む
- お気に入りの絵本を一冊見つける
- 絵本のあとはすぐに眠れる環境作りを
- 読み聞かせの最後は「おしまい」で終わる
寝かしつけにおすすめな絵本の種類
- ハッピーエンド
- 落ち着いた雰囲気
- 短すぎない
- 長すぎない
- 繰り返しの言葉が使われている
寝かしつけにはあまり向かない絵本の種類
- ハラハラドキドキする本
- 頭を使って考えさせる
- 続きが気になる
毎日の寝かしつけタイム。親子の大切なふれあいの時間になるとともに、安心できる睡眠につながると良いですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。