- 元気な同僚と、静かな性格の自分をつい比べてしまう
- 引っ込み思案な性格は、保育士に向いてないのかな?
- 内向型の性質を強みにして、保育士の仕事を続けたい
明るく元気な保育士に憧れているけど、自分は内向的で自信が持てない…という人は意外と多いのではないでしょうか。
「声が小さい」「人前に出るのが苦手」など、不得意な部分に焦点を当てるとますます仕事が辛くなってきます。内向的な性格はマイナス要素ではないと気づくことが大切です。
筆者の私は保育士ですが、口下手で、大勢の前に立つのはすごく緊張します。引っ込み思案な性格のせいで「保育士には向いていないのでは?」と長い間悩んできました。
数年前「内向型」「外向型」という性格の分類を知ったことにより、自分が内向型の傾向があることに気づきました。同時に「あ、私はこのままで良いんだ」と納得できたのです。
今は自分の特性を強みに変えて、保育士を続けています。気づけば保育士歴は、今年で14年目です。
この記事では内向型保育士の強みと、静かな性格を活かした働き方の工夫を解説します。この記事を読めば、内向型な性格のままで保育士としての力を発揮できます。
自分の特性を正しく知ると、仕事への向き合い方が改善されます。強みを最大限に活かすには、働く環境を見直してみるのも良いでしょう。
内向型と外向型の違い

人の性質である「外向型」「内向型」は、心理学者カール・ユングが提唱した理論です。2つの性質は連続していて、どちらか一方に完全にかたよっているわけではありません。両方の特性を合わせ持つ両向型の人もいます。
外向型はどんな人?
- 人と関わることが、元気の源になる
- 積極的に多くの人と交流したい
- 新しい経験や環境に馴染みやすい
- 会話を楽しみながら考える
- マルチタスクが得意
内向型はどんな人?
- 一人で過ごす時間が、元気の源になる
- 少数または1対1で、深い会話をしたい
- 新しい経験や環境に馴染むまでに時間がかかる
- じっくり考えてから話す
- 一つのことに集中することが得意
外向型・内向型はエネルギーの向きによって区分されています。外向型はエネルギーが外に向かい、内向型はエネルギーが内に向かいます。2つの型に優劣はありません。脳の特性や神経伝達物質の働きの違いも関係しています。
内向的な保育士の強み5選

小さな変化に気づける観察力
内向型の人はよく周りを見ていて、ささいなことに気づくことができます。外部からの刺激に敏感で、少しの情報から多くのことを感じ取れるためです。
内向型の保育士は、普段と違う子どもの泣き方に気づき、子どもが抱える不安や体調不良の可能性を見逃しません。朝夕の保護者の様子からも、保護者や子どもの困りごとを感じ取ります。保育の現場で子どもの少しの変化や違和感に気づけることは、保育士として欠かせない資質です。
- 外遊び中:遊具の危険な使い方をしていないか
- おやつや給食:食べ物を口につめこみすぎていないか
- 午睡中:室温は適切か、うつぶせ寝になっていないか
など全体に目を配ることも得意で、危険を未然に防ぎます。このように内向型の保育士は一人を深く観察する力と、少し離れた視点から全体を見渡す力を備えています。
子どもに寄り添う共感力
相手の気持ちに深く共感できる、内向型の人は多いです。内向型の人は自分が話すより、じっくり聞くことを得意とします。保育園で子どもに安心を与えるのは、保育士の丁寧な傾聴と共感力です。
内向型の保育士は子どもの思いに耳を傾け、気持ちを代弁します。自分の思いを否定されずにまるごと受け止めてもらう体験は、子どもの自己肯定感につながります。まだ言葉が未熟な子どもに対しても、穏やかなまなざしや非言語コミュニケーションは不可欠です。子どもに寄り添う共感力が、子どもとの絆を深めます。
落ち着いた雰囲気がもたらす安心感
元気で明るい保育士が、子どもにとって最適とは限りません。ときには静かで落ち着いた雰囲気が、子どもに安心感を与えます。
集団の中で不安を感じやすい子ども
環境に慣れるのに時間がかかる子ども
刺激に敏感な子ども
元気な保育士についていくことができない、おとなしい子どももいます。大きな声で急かされ続けていると、気持ちが落ち着かずに一日を過ごしてしまいます。
内向的な保育士の穏やかな雰囲気が、子どもには居心地の良い存在になります。
事前準備を怠らない堅実性
内向型の人は、情報を集め計画を立ててから行動に移します。慎重な性格のため、事前準備と心の準備が欠かせません。事前準備が必要な主な保育士業務は、以下のとおりです。
- 子どもの発達段階に合わせた設定保育
- 行事の企画、小道具類の制作
- 月案や保育日誌などの書類
- 園だよりやお知らせなど保護者向けの配布物
誕生会や生活発表会などの行事の企画では、必要な制作物や人員配置、本番までの練習スケジュールまで見通しを立てた計画作りをします。
保育士業務の大きな割合を占める書類作成においても、事前準備は役立ちます。内向型の人は事務的な作業が苦にならないことが多いです。保育日誌や個人記録では日頃の観察力を活かせます。具体的で詳細な記録が、園内での情報共有や保護者からの信頼につながります。
事前の準備は、職場内の円滑なコミュニケーションにおいても、内向型の保育士自身の心の平安のためにも大切な強みです。
創作活動を楽しむ探求心
内向的な人はエネルギーが内面に向かうので、専門分野を集中して掘り下げることができます。絵画や音楽などの創作活動を得意とする人は多いです。
内向型の保育士は得意分野を活かして、子どもたちの創造性を高める保育をします。入念な準備を行い、子どもが安心して創作に取り組める環境を整えます。
- 楽器を使った活動
- 毎月の制作
- 季節の行事
など枠にとらわれない発想で、子どもたちがワクワクする活動を考え出すことが得意です。
内向型の保育士は、自身も子どもたちも一緒に楽しめる、アイデアの引き出しをたくさん持っています。
内向的な保育士の苦手をカバー|強みを活かす働き方の工夫

内向的な保育士は、他人と比べて不得意な部分を気にしやすいです。自分の特性が強みになることを理解して、自信を持って保育をしましょう。
どうしてもうまくいかない時は、職場環境が合っていないことも考えられます。
お助けアイテムで静かに楽しむ
保育園では、クラスをまとめるべき場面が一日のうちに何回もあります。内向的な保育士の中には、頑張って声を張り上げても、子どもたちに声が届かないという人もいるのではないでしょうか。
子どもたちの興味を引き、静かに話を聞いてもらうために、いくつかのお助けアイテムを準備しておくと良いです。
- 目で見て楽しむアイテム
- 音を聞いて楽しむアイテム
- 参加型のアイテム
目で見て楽しい絵本や指人形、タンバリンやきれいな音が鳴るベルなどは、子どもたちを惹きつける魔法のアイテムです。
また小さなマイク(手をグーにするだけでもOK)を子どもたちに向けて簡単な質問をしていくのも、子どもたちの注目を集めるのにおすすめです。
アイテムを見れば、大きな声を出さなくても「今は先生のお話を聞く時間だ!」と子どもたちは理解します。また、「このあとどんな楽しいことがあるのかな」と期待を持つようになります。
いくつか試してみて、子どもたちが喜ぶアイテムを見つけてみましょう。
保護者対応や会議ではメモを味方にする
保育園では、保護者対応や会議での発言など、さまざまなコミュ二ケーションの機会があります。
内向型の人は、即座の対応が苦手。考えがまとまらず、言葉がうまく出てこないかもしれません。そんなときはメモを準備しておくことで、伝えたいことをしっかり伝えられます。
本来、内向型の人は深い思考が得意です。伝えるべきことをメモしておけば思考を整理でき、しっかりと伝えられます。上手に話そうと思わなくても大丈夫です。
メモを利用した誠実なコミュニケーションは、保護者との信頼関係を築く基盤となります。
職員会議では、発言の順番が迫ってきたり急に意見を求められたりすると、頭が真っ白になりがちです。どう言おうか考えている間に、話題が先に進んでしまうこともあります。
議題が事前に決まっている場合は、自分なりの意見や質問などをまとめておきましょう。メモを取り入れたコミュニケーションで、内向型の思慮深さを発揮しましょう。
性格が正反対の保育士とタッグを組む
元気で明るくおしゃべり上手…そんな自分と全く違うタイプの保育士とは、関わりづらいかもしれません。しかし、お互いの得意分野でサポートし合えば、最強のタッグが組めます。
あなたが得意なことと相手が得意なことを分担すれば、お互いがストレスなく保育を楽しむことができます。相手の保育士が人前に出ることが好きなら、行事のメイン司会をお願いすればいいのです。
逆に相手の保育士が不得意な部分はひきうけ、精一杯取り組みます。
「他の先生ができることを自分はできない」と、自分を責めるのはやめましょう。できることを適材適所で行えば、自分だけでなく、職場内の保育士みんなが幸せに働けます。
内向型の強みを活かせないときは?環境を整えることも大事

内向的な性格で、保育士の向き不向きが決まるわけではありません。しかし、毎日仕事がつらいと感じているなら、職場環境が合っていない可能性があります。
施設の形態を選ぶ
保育園の形態によって、仕事内容や子どもとの関わり方が大きく変わります。以下に主な保育施設を紹介します。
| 保育施設 | 特徴 |
|---|---|
| 大規模 こども園 | 0歳から就学前の子供が対象、行事が多い |
| 小規模 保育園 | 0~2歳児の保育を行う、定員は6~19人 |
| 院内保育所 | 病院の医療従事者の子どもを預かる |
| 企業主導型保育園 | 10~20名程度の少人数 |
どの保育形態にもメリットデメリットはあります。しかし内向型の保育士には、子ども一人ひとりに寄り添った保育ができる少人数の保育施設が、力を発揮しやすいでしょう。今の職場がしんどい場合は、働く環境を考え直してみましょう。
働き方を選ぶ
保育士には主に、以下の雇用形態が用意されています。
- 正社員
- 契約社員
- パート・アルバイト
- 派遣社員
保育園での勤務は、比較的時間を調整しやすいです。
| 勤務形態 | 勤務(例) |
|---|---|
| シフト制 | 7:30~16:30、 9:00~18:00、 10:00~19:00で交代制 |
| 固定勤務 | ・月水金の9:00~13:00 ・週5で9:00~17:00 |
| 早朝勤務 夕方勤務 | ・開園7:00~10:00 ・16:00~19:00閉園まで |
| 土曜出勤 | ・隔週で交代制 ・土曜だけの勤務 |
働き方を変えることで「得意な業務に携われるようになった」「自信の強みを活かしやすくなった」など、力を発揮できる可能性があります。
保育方針を選ぶ
保育施設によって特徴や保育方針はさまざまです。自分の価値観と園の保育方針が一致していると、より意欲的に保育に取り組むことができます。
- 早期教育に力を入れる園
- 運動遊びや音楽活動が盛んな園
- 自由遊びの中から自主性を育む園
もし保育方針を重視して転職を考えているなら、園とのすり合わせが重要になります。情報収集だけでなく実際に見学に行き、保育園の雰囲気を確かめるのがおすすめです。
まとめ|内向型のままで保育士として強みになる

子どもや保護者にさまざまな性格の人がいるのと同様、保育士の性格も多様なほうが、集団生活の場として自然です。内向型の特性は、保育士としてマイナス要素ではありません。静かな性格でも、保育士として必要とされる要素はたくさんあります。内向型の特性はそのままで、保育士としての強みになるのです。
もしそれでも働くのがしんどいと感じたら、職場環境を見直すタイミングかもしれません。何に辛さを感じているのかを明確にして、改善するための一歩を踏み出してみましょう。
