- 口下手だから保護者対応が苦手、うまく伝わらなかったらどうしよう
- 保護者対応でNGな言動はある?
- 信頼されるような保護者対応のコツを知りたい!
保護者に代わって子どもの成長を日々見守っている保育士。子どもの様子を保護者に伝えることは、保育士にとって大切な役割です。
嬉しい報告だけではなく、ときには言いにくいことを伝えなければいけないケースもあります。そのため、保護者対応が苦手な保育士は多いです。
口下手だと自覚している人には、保護者対応は特に憂うつですよね。筆者も話すことが得意ではなく、保護者対応のたびに「ちゃんと伝わったかな」「嫌な気持ちにさせたのでは?」といつも気になっていました。
しかし今は、内向的な性格でもできる保護者対応のコツが分かり、できることから実践しています。
この記事では、保護者対応をするコツや基本姿勢、注意するべき言動を解説します。この記事の内容を実践すれば、保護者対応のストレスを軽減して、心のこもった対話が可能です。
口下手かどうかを気にする必要はありません。保護者対応で大切なのは、毎日の丁寧な保育と保護者に寄り添う姿勢です。
話すのが苦手な保育士でもできる|保護者対応のコツ5選

口下手で控えめな性格を、強みに変えることは可能です。内向的な人は、共感力、観察力が高く、落ち着いた雰囲気が人に安心感を与えます。保護者対応のコツをつかみ、できることから少しずつクリアしていきましょう。
日頃から丁寧な保育をする
私たち保育士は大切な子どもをお預かりしています。子どもの利益を一番に考えた保育を心がけましょう。
保護者は送り迎えの際に、保育士の言動を意外と見ています。保育士に悪気はなくても、保護者から見れば不信感につながる場面もあります。
例えば子どもの手をつないで誘導しているつもりが、強く引っ張っているように見えることがあります。子どもの安全を守るためだとしても、子どもに対する言動がきつくなっていることも。今一度、自分自身の保育を振り返ってみましょう。
保育園生活で子どもがどのように過ごしているのか、保護者は常に気にかけています。
- 家で嬉しそうに園での話をする
- 登園した際に保育士を慕っている
保護者は子どもの様子を見て、我が子が保育園で大切にされていると感じ取ります。日頃の保育において信頼関係を築くことが、保護者との対話の基礎になります。
笑顔と挨拶を心がける
送り迎えで顔を合わせたときには、保護者の目を見て挨拶をしましょう。にっこりと笑顔で挨拶をするだけで、お互いに親近感が湧いてきます。保育士が忙しそうにしていたり、顔を向けないまま挨拶をしたりしていては、「うちの子どもは嫌われているのかな」「話しかけにくい雰囲気だな」と、保護者は不安になってしまうでしょう。
友達口調で親しげに話しかけてくれる保護者もいますが、保育士は言葉を崩しすぎないことが基本です。誠実に、丁寧な言葉で受け答えしましょう。
筆者はもともと口角が下がり気味で、普通にしているのに不機嫌そうに見られた経験があります。声が小さくて、挨拶しても相手に届かないこともよくありました。
控えめな人は、少しおおげさくらいの笑顔と声を心がけるとちょうど良いかもしれません。意識して笑顔と挨拶を毎日続けていれば、自然にできるようになりますよ。
傾聴と共感を徹底する
保護者から質問や相談をされたら、言葉を途中で遮らずに最後まで聞きます。保護者は話を聞いてもらうだけでも、かなり気持ちが落ち着くものです。
安心して話してもらうために、無言で聞くのではなく時々あいづちを打ちます。しっかり話を聞いたうえで、「そうだったんですね」「大変でしたね」と共感します。
その後、園として対応できることや改善策を、相談内容に合わせて提示します。園長に確認が必要なケースもあるでしょう。
回答までに時間がかかる場合や、保護者の話を聞く時間をすぐに取れない時は、改めて時間を作っても良いか保護者に了承を得ます。
内向的な人は、傾聴が得意な傾向があります。自分が話さなければと気負わなくても大丈夫。まずは保護者の思いにじっくり耳を傾けましょう。
子どもの様子を具体的に伝える
保護者は、自分の子どもが保育園でどのように過ごしていたかを知りたいと思っています。お迎えに来られたときには「元気でしたよ」だけではなく、その日のエピソードを具体的に伝えると親としては嬉しいものです。
- 砂遊びに夢中で、お友達と一緒に大きなお山を作りましたよ
- トイレに行って、便座に座ることに挑戦しましたよ
一日一つでも、その日の成長や変化、小さな発見などを具体的な言葉で伝えます。
何か問題があったときだけ伝えていては、「いつも悪いことばかり言われる」「うちの子は問題児なのかな」と心配させてしまいます。その子だけのほっこりエピソードを、ぜひ伝えてあげてください。保護者は「あ、毎日ちゃんとみてくれているんだな」と安心できます。
子どもの細かな様子を観察する能力は、保育士にとって強みです。いきなり言葉で伝えることが難しければ、日中の子どもの様子をメモに控えておきます。子どものいきいきとした姿を誠実に保護者に伝えることによって、信頼関係を築けます。
連絡帳を活用する
連絡帳は、最大限に活用することがおすすめです。朝夕の送迎時に、あまり会話をする時間が取れない保護者は多いです。また、積極的に話すタイプではない保護者もいます。
コミュニケーションを取る機会が少ない保護者であっても、園での子どもの様子を知りたいと思っているはずです。子どもの様子が分かるように、できるだけ具体的に書きます。
- 設定保育や外遊びでの子どもの様子
- おやつや給食での食べた量
- お昼寝前後の様子や眠っていた時間
など、詳しく書くようにしましょう。
「今日は園で良いうんちがでましたよ」「少し早く目が覚めてしまったので眠くなるかもしれません。帰宅してから様子を見てあげてください」などその日の様子を伝えれば、家に帰ってからの過ごし方を子どもに合わせて調整してあげられます。
また、連絡帳に悩みや相談が書かれていたら丁寧に回答をし、場合によっては対話の機会を取ります。
会話よりも文字でのやり取りを好む保育士にとって、連絡帳はコミュニケーションの強い味方です。連絡帳で丁寧な記述を心がけると「しっかり見てくれている」と保護者は感じます。忙しい保護者にとっては、あとでゆっくり見返せるのも助かります。
保育士が意識するべき保護者対応の基本姿勢

保護者と良い関係を築くためには、意識するべき心構えがあります。一人でなんとかしようと頑張るのではなく、保育園というチーム全体で保護者の気持ちに向き合い、対応していきます。
保護者の気持ちに寄り添う
園に子どもを預ける保護者は、さまざまな立場の人がいます。共働きの人、ひとり親で子どもを育てている人、異なる国や文化的背景を持つ人…。保護者の立場によって子育てにおける価値観や、子どもが過ごす家庭環境も違います。
自分の育児に自信を持てずに、不安を感じる保護者もいるでしょう。保育士は、保護者一人ひとりの相談や悩みに向き合うことになります。
問題を一人で抱えず連携する
保護者との対応に困ったら、一人で解決しようとしないことが大切です。保護者からの相談やクレームの声は、保育士個人に向けられているのではなく、園全体で共有し、解決していくべきものです。
他の保育士や上司に迷惑をかけてはいけないと、抱え込む必要はありません。
連携を取って対応に臨むことが、結果的に園の信頼にもつながります。
園の方針を共有する
トラブルや保護者対応に関する園での方針やルールがあれば、日頃からしっかり認識しておきましょう。保育士によって対応が違うと保護者は戸惑うだけでなく、不信感を持ってしまいます。
他の保育士と情報を共有し、さまざまなケースの対応策を相談しておくことも大切です。
保育士が保護者対応で注意するべきNG言動

何気なく言った言葉で保護者の反感を買ったり、嫌な思いをさせたりする場合があります。注意するべき言動を保育士が意識していれば、保護者と円滑な関係作りに役立ちます。
子どもを否定する言葉を使う
子どもの良くない面や、他人よりできていない行動について、保護者にストレートに伝えるのは控えます。子どもを否定されると、自分の子育てを責められていると感じる保護者もいるでしょう。
- お友達は靴を自分で履けるのに、〇〇ちゃんはできませんね
- 〇〇ちゃんはお友達のおもちゃをすぐ取ろうとするんです
子どもの成長には個人差があります。できていないことに焦点を当てるのではなく、頑張っている姿や成長の過程を伝えるようにします。
- 保育士の手を借りながら靴を履くことができて、とても嬉しそうでしたよ
- お友達のおもちゃが欲しい時は「貸して」って言おうねと子どもたちに伝えています。お友達と取り合いになることもありますが、今日は〇〇ちゃんも言えたんですよ
保育士、保護者ともに子どもの成長を喜べるような、ポジティブな言葉選びができると良いですね。
保護者の状況を考えない
保護者と話をするときは、保護者の置かれている状況に配慮した対応が大切です。仕事の忙しさや家庭の事情など、保護者の状況はさまざま。保育士が園児のことを思って言ったつもりでも、保護者の気を悪くすることがあります。
ママのお迎えがもう少し早ければ、〇〇ちゃんは喜ぶと思いますよ
早くお迎えに来たほうが良いのは、保護者が一番分かっているもの。できるだけ早く来ようと、すでに頑張っているかもしれません。
おうちでも野菜が食べられると良いですね
野菜嫌いの子どものために、いろいろ手を尽くしてみた。保育園では食べているようで安心だけど、家で食べさせられないのは親失格ってこと?とモヤモヤを抱える原因になってしまいます。
「今日もお疲れさまでした」「困ったことはないですか」といった言葉がけは、毎日頑張っている保護者の気持ちを和らげます。そのうえで園での援助方法を紹介したり、家庭でもできる子育てのアイデアを提案したりするなど、保護者に合った声掛けを探ってみましょう。
トラブルの一方だけを悪く言う
友達とのトラブルは、どちらかが一方的に悪かったということは少ないです。偏った解釈や、一方だけを悪く言うような伝達は避けましょう。
最近よく手が出ますね。今日もお友達を叩いてしまって…
友達を叩いたことが事実でも、行動に至った背景や行動の奥にある子どもの気持ちに目を向けることが大事です。
「持っていたおもちゃを友達が取ったのが嫌だった」「大人の気を引いて甘えたかった」など、手が出る行為にも理由があることを保護者に伝えます。
「実は下の子に手を取られて、あまりこの子にかまってあげられなくて…」など、家庭での状況を知るきっかけになる場合もあります。
あいまいな説明でごまかす
保護者からの質問や園からの報告の際、あいまいな言葉を使わないようにします。あいまいな説明は「真剣に考えてくれてないのでは?」「ちゃんと見てくれてなかったのかな」と保護者を不安にさせてしまいます。
たぶん大丈夫だと思います
保護者からの質問で返事に迷う時は、正直に「今すぐお答えすることができず申し訳ありません。園長に確認して、明日お返事してもよろしいですか」など、対応と期限を明確にします。
自分で転んでけがをしたようです
保育士が見ていないところでけがをしたのなら特に、把握できていなかったこと、けがをさせてしまったことに対して真摯に謝罪が必要です。気づいたときの状況、対処方法、今後の対策についてしっかりと保護者に伝えましょう。
保育士の価値観を押し付ける
保育士として働いていると、保護者の子育てに違和感を持つことがあります。保育士と保護者の価値観が違うためです。
- 「あんなこと普通ならしないのに」
- 「〇歳なんだから、こうするべきだ」
と感じる場面もあるでしょう。
しかし、家庭によって子育てのやり方が違うのは当たり前です。不適切な保育は見過ごしてはいけませんが、保育士の価値観を押し付けないように注意が必要です。
とはいえ子育てに慣れていない保護者が、どうしたら良いか悩んでいる場合もあります。保育のプロである保育士は、子どもの成長段階について知識を持っています。普段のコミュニケーションの中で、保護者の困りごとにアンテナを張っておきましょう。
保護者がアドバイスを求めている時には、「こんな方法もありますよ」と保育士の知識と経験が役立ちます。
まとめ|控えめな性格を活かして保護者との信頼関係を築こう

保育士が苦手意識を持ちやすい保護者対応ですが、元気にたくさん話せなくても大丈夫です。
- 毎日の保育を丁寧に行う
- 笑顔と挨拶を心がける
- 保護者の話をよく聴く
- 具体的に子どもの様子を伝える(メモをしておくと安心)
- 連絡帳で詳しいやり取り
あなたの誠実さや熱心さは、必ず保護者に伝わります。口下手や控えめな性格に引け目を感じる必要はありません。保護者対応の5つのコツを徹底して実行すれば、保護者と良い関係を築けますよ。
